人と一緒にいるのに、自分だけが少し離れた場所にいるように感じる。
笑ってはいるけれど、心から笑えている感じがしない。
何が好きで、何をしたいのかを聞かれても、すぐには言葉が出てこない。
そんなとき、「もっと前向きにならなければ」と急ぐ前に、確かめてみたいことがあります。
今の私は、自分の気持ちや身体の感覚と、どのくらいつながっているだろう。
もくじ
「自分らしさがわからない」と感じていた頃
以前の私は、楽しいことや幸せが何なのか、よくわからなくなっていた時期がありました。
人と同じ場所にいて、同じように笑っていても、自分と外の世界の間に薄い膜があるような感覚がありました。
Podcast第152回では、それを「シャボン玉の中にいるような感じ」と表現しています。
その場にはいる。
けれど、自分の気持ちが少し遅れて届く。
起きていることを頭では理解していても、「私はどう感じているのか」がつかみにくい。
これは、すべての人に同じ理由があるという話ではありません。
ただ、当時の私にとっては、とても言葉にしにくい違和感でした。
インナーチャイルド解放を「自分自身に戻る感覚」と捉える
インナーチャイルド解放には、さまざまな考え方や方法があります。
私は学びと実践を重ねる中で、「結局、何をしているのだろう」という問いを持ち続けてきました。
その問いを考えるうえで印象に残ったのが、プログラムを終えた方からいただいた「自分自身に戻ってくる感覚」という言葉でした。
これは、誰にでも同じ変化が起きるという意味ではありません。
私自身の経験に照らすと、感情をなくすことでも、いつも前向きになることでもありませんでした。
怒る。泣く。笑う。感動する。そのときの自分の反応を、自分で感じ取れるようになること。
そして、誰かの正解ではなく、今の自分がどうしたいのかを確かめながら選ぶこと。
私は、そこに「自分自身に戻る」という感覚があると考えています。
感情がわからないとき、無理に答えを出さなくていい
「何を感じていますか」と聞かれても、答えが出てこないことがあります。
そんなとき、無理に感情の名前を当てなくても構いません。
まずは、今わかる小さな反応から始められます。
- この場所にいると、呼吸はしやすいだろうか。
- この人の前では、身体のどこに力が入るだろうか。
- 「本当はどうしたい」と聞かれたとき、最初に浮かぶ言葉は何だろう。
答えを評価せず、「今はこう感じているのかもしれない」と置いてみる。
その積み重ねが、自分の感覚を受け取り直す入口になります。
自分に戻ることは、誰かから離れることではない
自分の気持ちが少しずつわかるようになると、他の人との関係も見えやすくなります。
すぐに答えられなかった理由。
本当は嫌だったのに、笑って受け入れていたこと。
反対に、心から嬉しかったこと。
自分の中で起きていることがわかるからこそ、相手に伝える言葉を選べるようになります。
自分を大切にすることと、人との関係を大切にすることは、どちらか一方ではありません。
自分の席に戻り、そこから相手と関わっていく。
私は、インナーチャイルドに向き合う時間を、そのための一つの実践として捉えています。
今日、自分の席に戻るための小さな問い
今すぐ大きく変わろうとしなくても大丈夫です。
今日の終わりに、一つだけ自分へ聞いてみてください。
「今日、私は本当は何を感じていた?」
言葉にならなければ、「わからない」でも構いません。
わからない自分を置き去りにせず、一緒に待つことも、自分自身に戻るための時間です。
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※この記事は、Podcast第152回で語った本人の経験と支援観をもとに編集しています。インナーチャイルドは自己理解の一つの見方であり、医療上の診断・治療や心理療法の代替ではありません。感じ方や経過には個人差があります。





